※ご本人の同意を得たうえで、個人が特定されないよう内容の一部を調整して掲載しています。
※本記事は一つの症例報告であり、すべての方に同じ経過や結果を保証するものではありません。
患者プロフィール
50代男性。
長距離トラック運転手として勤務されています。
仕事では長時間の運転に加え、荷物の積み下ろし、2日以上にわたる運行、車中泊などもあり、腰へ負担がかかりやすい生活が続いていました。
来院までの経緯
高校生の頃にバレーボールをしており、練習が厳しかった時期に、何度かぎっくり腰を経験されていました。
その際は整形外科で治療を受け、成人後は寝不足や疲労が強い時に腰が重くなることはあったものの、激しい腰痛は少なかったそうです。
30代後半から運送業に従事するようになり、長距離運転、荷物の積み下ろし、車中泊が日常的になりました。
42歳の頃、仕事中に荷物を抱えた際にぎっくり腰を発症。
整形外科を受診し、ご本人によると「ヘルニアになりかけ」と説明を受け、1週間ほど仕事を休まれたとのことでした。
その後、鍼治療やマッサージを受けながら仕事に復帰されましたが、それ以降、朝起きた時に腰が痛く、しばらく身体を動かさないと動き出しにくい状態が続くようになりました。
50歳を過ぎてからは、仕事中の腰のつらさが強くなり、コルセットを使うことも増えていました。
トラックの乗り降りにも不安を感じるようになったタイミングで、当院のチラシをご覧になり、初めて来院されました。
初回来院時の状態
初回来院時は、起床時やトラックの乗り降りの際に、腰へ強い痛みが出る状態でした。
また、長距離運転中も1時間以上座っていると腰に鈍い痛みが出て、同じ姿勢を続けることが難しくなっていました。
過去には整形外科でレントゲン検査を受け、湿布や痛み止めを処方されたことがあるとのことでした。
痛みが強い時は、鍼治療、整体、マッサージなどで何とか仕事を続けてこられたそうです。
温泉などで身体を温めてリラックスすると、一時的に楽になることもあったとのことでした。
検査・姿勢分析
姿勢と身体の動きを確認したところ、骨盤や股関節まわりの動きに左右差がみられました。
また、それに伴って背骨全体の動きにも偏りがあり、腰部に負担が集中しやすい状態と考えられました。
特に、腰から骨盤、臀部にかけての筋肉に強い緊張と圧痛がありました。
確認した主なポイントは次の通りです。
・腰を前に曲げる動作で痛みと可動域制限がある
・腰を反らす動作で痛みと動かしにくさがある
・身体をひねる動作で腰部に違和感が出る
・骨盤、股関節、足首の動きに左右差がある
・肩甲骨や首まわりにも硬さがみられる
・長時間の座位姿勢により、腰部から臀部に負担がかかりやすい
腰だけに問題があるというよりも、長年の長距離運転、荷物の積み下ろし、疲労の蓄積により、骨盤・股関節・背骨・足首などの連動が崩れ、腰へ負担が集中している状態と考えました。
検査結果と施術方針をご説明し、ご本人に同意をいただいたうえで施術を開始しました。
施術方針
今回の方は、腰の痛みだけを一時的に軽くするのではなく、長距離運転や荷物の積み下ろしでも腰へ負担が集中しにくい身体づくりを目指す必要がありました。
そのため、初期はまず痛みを軽減し、立ち上がりやトラックの乗り降りをしやすくすることを優先しました。
その後、骨盤・股関節・背骨・足首の動きを整え、長時間座っていても腰が固まりにくい状態を目指して施術を進めました。
また、仕事の都合上、来院頻度を一定に保つことが難しいため、自宅や休憩中にできるセルフケアもあわせて指導しました。
施術内容
初期の施術では、腰部だけでなく、骨盤、股関節、背骨、足首、肩甲骨まわりまで確認しながら進めました。
主な施術内容は次の通りです。
・骨盤まわりの動きを整える施術
・背骨全体の緊張をやわらげるためのソフトな手技
・股関節と臀部の筋肉に対する施術
・腰部から骨盤周囲の筋肉の緊張緩和
・肩甲骨まわりの動きの調整
・足首の動きと重心バランスの確認
・動作時の負担軽減を目的としたテーピング
・仕事中や休憩時にできるセルフケア指導
痛みが出ている腰だけを施術するのではなく、長距離運転で固まりやすい股関節や臀部、荷物の積み下ろしで負担がかかりやすい背中や肩甲骨まわりも含めて、全体の動きを確認しながら施術を行いました。
時系列での経過
初回
初回施術後、ご本人の実感として、立ち上がりや歩き出しがかなり楽になったとのことでした。
ただし、長年続いている慢性的な腰痛であり、仕事でも腰に負担がかかるため、1回で終了とは考えず、まずは1か月間、できるだけ間隔を空けすぎずに施術を行う方針としました。
当初は、可能であれば週2回の施術をご提案しました。
2〜3回目
初回後から症状の軽減がみられ、立ち上がりの動作が楽になってきました。
ただ、仕事の都合で週2回の来院は難しいとのことだったため、無理のない範囲で週1回の来院を目安に施術を継続しました。
1か月経過
1か月経過した頃には、起床時の強い腰痛はかなり落ち着いていました。
この時期から、運動療法と自宅でできるセルフケアを指導しました。
特に、長距離運転中は同じ姿勢が続くため、休憩時に股関節や臀部、足首を軽く動かすことを意識していただきました。
2か月経過
2か月経過した頃には、長距離のトラック運転ではまだ腰の鈍痛が出ることはあるものの、荷物の出し入れは以前より楽にできるようになってきたとの報告がありました。
痛みを完全になくすことだけを急がず、仕事中の動作や疲労の出方を確認しながら、施術内容を調整していきました。
3か月経過
3か月経過した頃には、日常生活で困るほどの痛みは少なくなっていました。
一方で、仕事柄、長時間運転や荷物の積み下ろしがあるため、筋肉の緊張や身体の使い方の癖はまだ残っている状態でした。
このため、痛みが落ち着いたから終了ではなく、仕事を続けながら再び悪化しにくい状態を目指して、施術間隔を調整していきました。
4〜6か月経過
4か月を過ぎた頃から仕事が忙しくなり、10日に1回、または月2回ほどの施術になりました。
6か月経過した現在は、月1回程度、身体の状態を確認するメンテナンス施術として継続されています。
現在の状態
現在は、日常生活で困るほどの腰痛は少なくなっています。
長距離運転や仕事量が多い時には腰の痛みが出ることもありますが、ご本人としては、以前より仕事や日常生活がかなり楽になり、満足されているとのことです。
ただし、仕事上どうしても腰へ負担がかかりやすいため、今後もしばらくは月1回程度のメンテナンスを続けたいと希望されています。
当院としても、完全に痛みを感じなくなることだけを目標にするのではなく、仕事を続けながら身体の状態を安定させ、悪化しにくい状態を維持することを大切にしています。
院長からのアドバイス
長距離トラック運転手の方は、腰痛を抱えやすいお仕事の一つです。
長時間の座位姿勢、振動、車中泊、荷物の積み下ろし、睡眠不足などが重なると、腰に大きな負担がかかります。
今回の方も、腰だけに原因を求めるのではなく、骨盤、股関節、足首、背骨、肩甲骨などの動きを含めて確認することが重要でした。
慢性腰痛は、痛みがある場所だけを揉んだり、一時的に楽にしたりするだけでは、同じ負担を繰り返してしまうことがあります。
大切なのは、
・長時間座った後にすぐ無理な動きをしない
・休憩時に股関節や足首を動かす
・荷物を持つ時は腰だけでなく膝や股関節を使う
・疲労や睡眠不足が強い時は特に注意する
・コルセットに頼りすぎず、身体の使い方も見直す
ということです。
腰痛が長く続いている方は、「いつものこと」と我慢してしまいがちです。
しかし、朝の起き上がりがつらい、仕事中に同じ姿勢が続けられない、車の乗り降りが怖い、腰痛で仕事に支障が出ている場合は、早めに身体の状態を確認することをおすすめします。
すがはら筋整骨院では、腰だけでなく、姿勢や骨盤・股関節・背骨の動き、日常生活や仕事中の身体の使い方まで確認し、慢性腰痛の改善を目指してサポートしています。
なお、安静にしていても痛みが強い、痛みがだんだん悪化している、発熱がある、足のしびれや力の入りにくさがある、排尿・排便の異常がある場合は、自己判断せず、早めに医療機関を受診してください。
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